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新米日本語教師いろいろ

「電車の中で___な。」#出やすい誤用

電車の中で__な。

A.騒ぐ   B.騒げる

 

みんな日第33課ー動詞の禁止形を教える時、よく誤用が出る問題です。

「悩む必要あるの?」って、日本人は多分こう思うでしょうwww

実は日本語を慣れてきた先生たちも問題を見た瞬間に、躊躇なく答えが出てきます。

しかし教育現場では、「騒ぐ」を選ぶ学生は2割くらいしかありません。

 

29課〜30課の自他動詞に関してたくさん練習してきた学生たちは、よく「状態なのか。動作なのか。」という視点から問題を考えています。

「禁止形は普通に考えると、「人のある行為をしてはいけないと命じる時使う」印象がありますね。かつ「動作の場所を表す」助詞「(電車の中)」があり、後ろに来るのは他動詞だと、よく見られる発想です。

そして、「騒ぐ」と言う単語は自動詞だと知って、「騒げる」は「他動詞ぽい」に見えるから、誤用しやすいです。

実は「騒げる」と言う単語は「騒ぐ」により可能形への変形で、あまり使わない言葉です。

 

と言っても、ここに自動詞の「騒ぐ」を使うのが、まだ納得できないでしょう。

 

辞書で「騒ぐ」の例文を調べます。

子供が騒ぐ。

このように、ちゃんと自動詞らしく「主体を提示する助詞が」の後ろに付くのがもちろんありますが…

彼らはあそこ騒いでいるのか。

こういうのもありました。

自動詞なのに、動作場所の「で」と目的語を提示する「を」が付いています。

この構文を見たら「他動詞じゃん」と言いたいですよね。

しかし、この文の「を」は、「目的語を」ではなくて、「人の心理、生理の状態を提示するを」なんです。

腹を立つ/立てる。

何を慌てているか。

以上のように、心理状態を表す自動詞の前に、「を」が入っています。

 

ここまではなんとなく納得できましたが、「で」の部分はいまいち違和感が残っています。

 

じゃこちらの文はどうですか。

先から部屋で泣いている。

「泣く」は当然人の動作でしょう。

「泣く」「走る」「行く」「参加する」「会う」のような単語は、目的語が必要としないゆえに、自動詞のジャンルに分類されています。「自動詞だ」と「人の動作を表す」二つの性質が両立しています。

「意志動詞」です。

部屋で泣く。

ジムで走る。

〇〇会場で会議を参加する。

「で」の後ろに必ず来るのは、他動詞ではなく、「意志動詞」です。

 

これで問題解決かな。